オススメ度★3つ その2
「献花」阿部光子著
「夫は父の後継ぎである司令官とうまくいかず、この団体から離れたが、決してこの世の安楽な生活を求めて去ったのではないという証拠に、社会事業関係の仕事しかしなかった。」
その夫は一人分の下宿代ほどの金を「わたし」に渡すだけで、先妻の産んだK(それが「夫の長男」となる)とその妹、わたしの産んだ四人の子供の生活を支えていく搬寄せは全部、わたしに集中した、というのです。
社会事業家として名のある夫は、家庭をかえりみないのを当然としていました。
社会に奉仕することだけが生きる道であり、家族が困ることはそれだけ聖人の道に近づいた証拠でもあると錯覚していた。
夫の死後、残されたものを整理してみて、高価な洋書を図書館や施設に寄附していたと知って愕然とする。